世界の名前
著者 岩波書店辞典編集部編
世界の人々はどのように子どもに名前をつけているのでしょう? どこでも「名前=姓+名」なのでしょうか? 名前の仕組みやこめられた意味を,古代から現代にいたる世界各地,そして...
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商品説明
世界の人々はどのように子どもに名前をつけているのでしょう? どこでも「名前=姓+名」なのでしょうか? 名前の仕組みやこめられた意味を,古代から現代にいたる世界各地,そして神話や『指輪物語』まで,100のエッセイで紹介します.想像もつかない習慣や隠された意味,歴史との意外な関係をお楽しみください.
目次
- 目 次
- はじめに
- 1 古代のひとびと
- 月に守られた者 古代インド/古代東西文明の狭間で 古代アナトリア(ヒッタイト)/王の名は決意表明 古代エジプト/名付けの力、名への畏れ 古代ヘブライ語/「名は体を表す」か? 古代ギリシア/一五人のプトレマイオス王 古代マケドニア/決闘で首飾りを奪うと 古代ローマ
- 2 名前の仕組みと形
- 真ん中は「クッション名」 ベトナム/頭は短く尻尾は長く カンボジア/ちょうどいい長さ チベット/名前よりも大事な出身地 スリランカ・シンハラ人/意外に「国際的」な名前 アルメニア/カミカゼ通り グルジア語/スウェーデンの「ソン・ネーム」 スウェーデン/マイケルス・ジャクソンス? ラトビア語/旧大陸の長い姓 ポルトガル語/物語を紡ぐ名前 バルカン半島/なぜ姓・名の順なのか ハンガリー語/チェコ語の姓の不思議 チェコ/何でもあり? ウクライナ/名前が語る家族史 マダガスカル
- 3 姓はどこから?
- 姓ができない事情 ビルマ語/大統領の名前を読む インドネシア/モンゴル人の名前に関する生態学 モンゴル語/本人・父・祖父をつなぐ アラビア語/姓が創られたとき ト ル コ/原風景を抱く フィンランド語/父祖のルーツを物語る名字 アイルランド/ベーコンさんと脂肪さんの結婚 オランダ語/さすが、職人の国 ド イ ツ/大西洋の東と西 フランスとケベック/エミール・ゾラの曽孫たち フランス/何と妙な名字か! スペイン/大統領の名字の話 スロヴァキア/名字と語尾ナショナリズム ベラルーシ/姓はどこにも住まない セネガル、ウォロフ語
- 4 歴史を遡る
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地球人の普遍性と多様性
2016/07/01 08:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平良 進 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まことに岩波辞典編集部らしい一冊なんである。この本一冊で世界のあらゆる地域・国家の人間の名づけという行為の特徴がわかるようになっている。一読して感想を言えば、チョムスキーを引き合いに出すまでもなく各言語には、違いよりも共通性の方がくっきり見えるということなのだった。
顕著な例をあげれば、乳児の段階の子供につけておく名前は、魔物や狼にさらわれぬように「犬の糞」だとかいった名前をつけておくとかいったことは全世界中に見られている。先住民にも広く取材されているのはとてもいいことで、そのためか文化人類学の研究者の担当が多い。
キラキラネームといえば日本だけの現象かと思っていたら、ラオ語にも見られるとのことであった。こういうところにも狭いこの星の文化現象を見て取れる気がする。
著者によると、のべ100にのぼる項目建てをしているという。ラストを飾るのは、あの『指輪物語』であった。この浩瀚な物語世界をつくる独自の(架空の)言語は、著者トールキンにとって魅惑にかられる営為であったようだ。これはのちに、『スタートレック』『スターウォーズ』に影響を与えていくなどの指摘をしている。実に4作に及んでいる前者では無限の多様性というバルカン哲学から発している思考からなのか、多様な宇宙の世界についてその「名前」もまた、独自の文化を持ち生存しているとの世界観を提示しているように思われる。
グローバルだのコラボだのいつもカタカナ語で私たちを翻弄する役人の方にはぜひご一読いただきたい。世界の民族や住民はとても本来の文字や名づけの表現を大事にしている。時には命を賭してでも。
名付けを巡る世界旅行
2023/03/17 17:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中の様々な民族の名付け方法を
各分野の識者が紹介している本です。
民族の伝統に根ざした名付け方をさんざん
紹介することで、現代日本社会に
蔓延りつつある命名法のでたらめっぷりに
警鐘を鳴らしたいのかしら、と穿った見方を
してみたくもなります。
なお、モンゴル語における名付けに
興味を抱かれた方にヮ、
田中克彦氏による「名前と人間」を
おすすめしておきます。